まずもって介護タクシーの開業は難しいか?結論から申しまして簡単です。
一般タクシーが飽和状態の為、国としても介護タクシーへの移行をおしているぐらいです。
介護タクシーで絶対必要なものは、2種免許と福祉車両だけです。
これも結論からいいまして、儲からない商売とは言えないと思います。
月に10万円しか売り上げてない業者もあれば、月に100万円売り上げている業者もいます。
要はやり方次第というわけです。
推奨する営業方法はまた下記で説明させていただきます。
まず介護タクシーを開業するには、
普通自動車第二種運転免許:乗客を有償で運送するために必須の免許です。
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級):必須ではありませんが、乗降時の介助などを行う際に役立ちます。特に、介護保険適用のサービスを提供する場合には取得が推奨されます。
介護タクシー事業を開始するには、国土交通省の各運輸局から「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」の経営許可を取得する必要があります。この許可を得るためには、事業計画の策定や必要な設備の準備など、一定の条件を満たす必要があります。
車椅子やストレッチャーに対応した車両を用意することが求められます。車両の選定や改造には費用がかかるため、事前に予算を検討しておくことが重要です。
車両の購入・改造費用、保険料、各種手続きの費用など、初期投資が必要です。また、開業後の運転資金も考慮して、綿密な資金計画を立てることが大切です。
もう少し細かく順に説明していきます。
二種免許はその都道府県その教習所でバラつきがあるものの、約20万円~30万円の費用がかかります。所得期間は、最短で詰めて受講しても一カ月は見た方がいいでしょう。
介護職員初任者研修は、必項免許ではないですが、あることにこしたことはないです。介護タクシーで乗車させる時、ベットから車椅子への移動時、ベットからストレッチャーへの移動時、車椅子から車椅子への移動時といった時に多分にお客様へ介助が必要です。その時に講習を受けている者と受けてない者は大いに差がつきます。介護職員初任者研修を受けることが難しければ、最寄りの介護職員初任者研修を講習しているところに、介助の基本だけでも教えてほしいと問い合わせるのも手かもしれません。そこで車椅子やストレッチャーの操作方法や移乗方法だけでも習得することをおすすめします。
一般乗用旅客自動車運送事業の申請は、申請してから許可を得るまで約3カ月は要します。
よく行政書士など依頼する方を見受けますが、容易にご自身で書類を作成できます。
行政書士で依頼すれば10万円前後の費用を請求されます。
例として四国運輸局のページのリンクします。
そこから、書類と書類の書き方の見本がダウンロードできます。
またわからないことがあれば、各都道府県の運輸局に問い合わせれば、経験上親切に教えてくれます。
費用としては、登録免許税が3万円かかります。
次に自己資金を提示しなければいけません。これは開業してしばらくの間経営的に余裕があるかどうかいうものでして、要は開業した当初はすぐには売上は上がりません。その間、経営する余力があるかどうか見るものです。
この費用の計算方法は、
所要資金の50%以上
所要資金とは、事業開始から1年間に必要とされる総資金のことです。これには、車両費、土地費、建物費、機械器具および什器備品、運転資金、保険料および租税公課など、その他の創業費用が含まれます。この総額の50%以上の自己資金を確保する必要があります。
事業開始当初資金の100%以上
事業開始当初資金とは、事業開始から最初の2ヶ月間に必要とされる資金のことです。具体的には、人件費、燃料費、修繕費などの運転資金が該当します。この金額の100%以上の自己資金を確保する必要があります。
以上の金額が残高証明できる通帳のコピーが必要となります。
その他、書類が問題なければ、次に運輸局で試験とヒアリングがあります。
これも、決して難しくはありません。
筆記試験の出題は、道路運送法、道路運送法施行規則、旅客自動車運送事業運輸規則からでます。一見難しそうな言葉が並びますが、自動車六法という辞書を持ち込んでの試験になります。多少は予習をしたほうが無難でしょうが、要は介護タクシーを運営するにあたってトラブルが起きた時に、ご自身で自動車六法を見て対応できるかという試験になります。そのため、自動車六法の目次を見て開いて記入すれば何も難しくない試験と言えます。
次に車の選定となります。福祉車両が主となるでしょうが、ストレッチャー対応の乗用車か、車椅子だけ乗せれる軽車両のどちらかになると思います。筆者観点から言わせていただきますと、ストレッチャー対応の普通車を選定された方が断然いいと思います。理由は様々です。ストレッチャー(寝台車)料金を高額に設定できる利点があります。しかし普通車は軽自動車と違い購入価格が高い、車検が毎年というデメリットもあります。それでもお客様観点から考えた場合、「あそこの介護タクシーはストレッチャーと車椅子どちらでも対応できる」と思っていただけたら注文の件数が圧倒的に多くなります。また病院・施設からの注文も多く、その担当者に同じく「あそこの介護タクシーはストレッチャーと車椅子どちらでも対応できる」業者と認識してもらった方が、車椅子だけしか対応できな業者より必然的に注文が多くなります。
ストレッチャー対応の普通車も色々とあります。
まずトヨタと日産に分かれると思います。筆者の経験から言わせていただくと、トヨタは車体価格は高いが、修理代はそこそこ。日産は車体価格は安いが修理代が高いという認識です。
トヨタの足回りはクッションは強いというイメージです。しかし反対に言えば思ったよりもはねます。日産はクッションが柔らかいですがフアフアした感じです。しかしフアフアするので車酔いしそうな感じになります。双方とも一長一短があります。
トヨタでストレッチャー対応の車種と言えば、ハイエース、ヴォクシイー、ノア
日産でストレッチャー対応の車種と言えば、キャラバン、NV
これも一長一短があります。ハイエースやキャラバンは乗車人数が多いですが、大きいので駐車しずらいです。しかし乗車人数が多いので老人ホームの遠足なで使っていただけます。
ヴォクシイー、ノア、NVなどは、ある程度小回りもできて、ストレッチャーの対応ができるのでベターな選択とも言えます。
タクシーメーターの取り付けも必項ではありません。しかしタクシーメーターを付けている介護タクシー業者が多いです。それはベースとなる運賃の金額の決まっている方が、お客様へ安心を与えることができる為、そこの業者の信用がますことになるからです。しかしタクシーメーターも新品であれば15万円~20万円は費用がかかります。
その他、車椅子・ミトン・吸引器・酸素・リクライニング車椅子・ストレッチャー・担架などの備品類が必要になってきます。必ずしも全てが必要とは限りませんが、介護タクシーを営むにつれてあらゆる場面に遭遇しますし、注文の電話でこういう器具はないかと問合せがくることが多いです。その為少しずつにでも備品類は揃えていったほうが無難と言えます。筆者は全てyahooオークションで購入しました。
上記のことからも、最初にある程度の資金が必要となってきます。
補助金・助成金を活用することも検討しましょう。
自治体や国から、介護タクシー事業者向けの補助金や助成金が提供されている場合があります。例えば、「福祉タクシー車両導入促進事業費補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などが挙げられます。これらの制度を活用することで、初期費用の負担を軽減できる可能性があります。
営業方法は色々な方法があります。チラシくばり、ホームページつくりなど多岐にわたります。
結論から言いますと、○○介護タクシーを回りに認知してもらうことが大切になります。
筆者は最初から注文も多く忙しい毎日でしたが、本当に回りに認知されて悲鳴をあげるほど忙しくなったの開業してから10年目ごろだったことを覚えています。なに屋さんにしても回りに認知されるには10年ほどの歳月が必要なのかと思ったことでした。
具体的な営業方法としては、
やはり最初はタウンページに掲載は必要になろうかと思います。インターネット時代とはいえ、ご注文をくれる年代層を考えた場合タウンページは外せない媒体になります。筆者は開業して3年間はタウンページに掲載しました。
そして筆者の介護タクシー名は、「あ」から始まる名前にしました。理由は一つ、タウンページのトップに掲載されるからです。笑い話しになりますが、引っ越し屋さんのページなどはもっとすごいです。「AAA引っ越し屋」という名前が掲載上位に連なっています(笑)
総合病院、老人施設、障害者施設へ営業は必項になります。
そこで受付で名刺・チラシを渡すだけではなく、ソーシャルワーカー・相談員に挨拶に行くことが大切になります。病院によっては師長さんが転院の段取りをしているところもありますが、概ねソーシャルワーカー・相談員が転院の段取りを行いますので、そこへのアプローチが大切になります。筆者も開業当初、ミスタードーナツを片手に挨拶回りをしましたが思った以上に反応が良かったことを覚えています。
そして、ソーシャルワーカー・相談員によく聞かれる質問は「夜間や休日は運行しているか?」と聞かれます。
夜間・休日は当然休みたいでしょう。
しかしこの夜間・休日を運行している介護タクシー業者は確実に売り上げが上がります。それは当然、競合が休んでいる間に仕事をすれば認知度もあがり、売り上げも上がります。筆者の協力業者で夜間の寝台車を一手に引き受けてるところは、すごい売上を上げています。
しかし無理をして、一人で昼も夜も24時間運行するようなことは決してしないでください。
寝不足になり事故などを起こしてたら本末転倒です。適切に人員を配置して、健全な運行体制で運行を行ってください。
最後に、
筆者が介護タクシーを開業した時に、コンセプトとしたことはお客様から見て「使い勝手の良い介護タクシー屋」ということを目標としてきました。
筆者の介護タクシーも今年で17年目になります。爆上がりのように売り上げる年はないですが、生活ができる売り上げがコンスタントに17年間続いています。
以上の情報が、貴社様の介護タクシー運営に少しでもお役に立てれば幸いと存じます。